キクちゃんがいま力を入れているのが、体験交流施設「なないろ工房」を拠点にした草木染めの講習です。「なないろ工房」は、錦町林業振興会とキクちゃんが所属している錦町林業振興会女性部会が資金を出し合い、町の空き店舗を改造してつくったものです。
キクちゃんたち錦町林業振興会女性部会が草木染めに取り組むきっかけとなったのは、旭村の女性たちとの交流でした。旭村の女性たちが山の材料を生かして草木染めに取り組んでいるのに感動し、キクちゃんたち女性部会も草木染めに取り組み始めたのです。
はじめは失敗に失敗を重ねましたが、ようやく作品ができるようになり、町もこの活動に補助金を出してくれるようになりました。このことが契機になって、「なないろ工房」がつくられたのです。
サクラ、スギ、キハダ、ナンテン、タデ、コアカザ、アセビ、セイタカアワダチソウ、ヨモギ。草木染めは、こういった生きている材料の葉や茎、樹皮などを使って染め上げます。季節によって、また材料によって、黄色やグリーン、茶色、ピンクといったように、いろいろな色が楽しめます。
キクちゃんたち林業振興会女性部会の女性たちは、この木は、この葉はどんな色に染まるのか考え、実際に試すのが楽しみになり、草木染めの材料がたくさんある山に行くことがますますおもしろくなってきました。
錦町は、ルーラルガイドに登録されている人が県内でも一番多いためか、ルーラルウェルカムセンターの案内で「なないろ工房」を訪れる人は多く、キクちゃんたち林業振興会女性部会はその対応で大忙しです。
山口県教育庁福利課の企画で、小中高校の先生たち三十数名が体験学習に来たのも、ルーラルウェルカムセンターの案内によるものでした。キクちゃんたちは、三十数名の先生たちに、草木染めのすばらしさや楽しさを語り、実際に体験してもらいました。
「季節季節のいろいろの素材によって色が変わるばかりでなく、同じ素材を使って同じ時に染めても、素材の煮方によって色が変わります。だから草木染めは生き物です」と語るキクちゃんや、キクちゃんたちの仲間の言葉に、先生たちも山の季節による色の移り変わりと山間地に生きる人たちの暮らしを感じ取ってくれたようです。 |