そんなルーラルガイドの1人、昭和5年生まれのキクちゃんは錦町に住んでいます。錦町は、山口県の北部、島根県と広島県の県境にあって、林野率92%、1000m級の山が7つもあり、山に囲まれた、人口4540人、高齢化率42,2%の過疎高齢化の町です。
キクちゃんたちが朝市に取り組んだのは昭和52年。まだ県内でも朝市がめずらしい頃で、県下でも2番目でした。「にしき金曜広場朝市」と名付けられたこの朝市は、現在も繁盛しています。
錦町内にもだんだん朝市が増え、町内に16ある朝市によって、錦町ふれあい朝市協議会ができました。平成10年には「道の駅ビアラインにしき」が錦町に開設されましたが、この道の駅の顔となっているのが、錦町ふれあい朝市協議会が毎週日曜日に道の駅の前で開催する朝市です。
町内の16の朝市に参加している農家はほとんどが高齢者で、朝市には高齢者の技がいっぱいです。たとえば「広瀬大根市」という朝市がありますが、名前の通り、自慢は大根と「かんぴょう」(干し大根)です。
かんぴょうづくりは、けっこう手がかかります。まず大根を千切りにして蒸します。それから寒風にさらし、毎日よく揉み込みます。1週間ほどくり返し揉み込んでいると、甘い香りがしてくるのです。長年の経験から、白く柔らかで香りのよいかんぴょうに仕上げられています。「あのかんぴょうが美味しかった」と、ふるさとの母の味を求めてまた訪ねてくる人もあるくらいです。
キクちゃんたちも、自分が所属する生活改善グループで農産加工所を発足させ、保健所の営業許可を取り、ヤホー漬け、梅干し、こんにゃく、辛づくし、わさび漬け、しば漬け、「キクちゃんみそ」等々の加工品を生み出し、朝市や道の駅で売って好評を博しています。とくに「キクちゃんみそ」は、自分たちで栽培したダイズを使ったこだわり味噌で、その味は輸入ダイズを使った味噌とは比べものになりません。 |