農業や農村を媒体とした児童・生徒対象の教育活動、体験学習などが、様々な場所で見られるようになっている。農業・農村サイドに端を発した教育的活動の多くは、広く一般消費者に農業への理解を求めることを目的としている。地域農業の現場は、農業に関する教育的活動を子供の頃から行うことによって、農業の“サポーター”としての機能を、そして将来の農業者育成の助力になることを期待している。そのため、このような動きは、教育現場からの要請によるものよりも、地域農業の課題への対応策として農楽・農村サイドから取り組まれる場合が多い。
その現われとして、農業団体ではJAグループの「3つの共生運動」の中で揚げる「次世代との共生」「消費者との共生」を絡めた農業体験を中心とした学習活動(註1)や、農水省を中心に提唱されてきた食農教育(註2)の取組などが挙げられよう。
最近では、「生きる力」の涵養や総合学習における活用の観点から、文部科学省も農業・農村での教育活動に関心を示し、政策的な関与も見せるなど、取組が次第に浸透しつつあるように見える。このような現状において、望まれる普及啓蒙効果、教育効果は生まれているのだろうか。
本稿では、食農教育の効果を期待し、取組事例が増加している地場産業産物の学校給食への導入とそれに付随する教育的取組に焦点をあて、農業の普及啓蒙効果、教育効果について、愛媛県今治市におけるアンケート分析を一助に、考察を行う。 |