以前から栽培体験には教育的効果があると言われてきた。学習指導要領などでは、幼稚園や小学校で「環境」や「生活」などの教科で情操的効果を狙った栽培活動の展開が期待されている(文献1、2)。また、「特別活動」や「総合的な学習の時間」で菊の栽培や稲作りを実施し、命の大切さや協力し合う心を育てることを目標とする学校も少なくない。
それに対し中学校では、栽培体験は主に「技術・家庭科」で扱われ、技術的な側面が強調されている(文献3)。その効果として、中学校で栽培を履修した大学生に対しての調査では、栽培に関する内容は、「生活に役立つ」と捉えられており(文献4)、栽培は「技術・家庭科」の目標でもある「生活に必要な基礎的な技術」を養成していると言えるだろう(文献3)。
しかし、実際のところ「技術・家庭科」では栽培に関する学習は少ない。その理由として、授業時数、設備、指導力、生徒の興味・関心による制約があげられる(文献5)。とはいえ、中学校でも栽培体験による情操的効果や勤労観を目標に田植え体験などの体験学習に取り組む学校も少なからずある。
そこで、中学生を対象に栽培体験を主体とした授業を行ったところ、栽培体験が生徒の意識に与える影響に関して若干の知見が得られたので、その概要を報告する。 |