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(1) 小さな農業者の感性が発信する 花倉山からのメッセージ
(2) 幼稚園での植物栽培活動とその意義
出典 『農業学習の教育効果に関する総合的研究』
執筆 梁川 正(京都教育大学教育学部)
河嶋 喜矩子(京都教育大学教育学部附属幼稚園)
協力 日本農業教育学会

3 栽培活動の大切さ

1) 植物を栽培することの教育面での重要な意味は、収穫物が人間が生きていくための食べ物になるという点にある。すなわち、「植物のいのち」をもらって人間は生きているので、植物の栽培は人間の生存に不可欠なものであり、いのちの大切さを感じ、学ぶことができる。
2) 植物を栽培するには、自らが汗をかいて働くことが必要で、このような活動は人間にとって尊く、とても大切なことである。つまり、汗水流して働く活動より、便利で効率の良いこと、楽することが善であるという現在の社会の価値観を考え直さなければならない。
3) 堆肥置き場を作る。そこに、落ち葉や雑草、収穫後の植物の残りなどを入れる。ニワトリ、ウサギなどの小動物の糞尿や飼料の残りがあれば、一緒に堆肥置き場に入れる。これによって、いずれも微生物によって分解され、植物のための栄養塩類と土の物理性を良くする物質循環(いのちのめぐり)について理解できる。
4) 幼稚園でいろいろな植物を子どもとともに栽培する活動は、心を豊かにするとても楽しい活動である。同時に、植物を栽培して、植物そのものに触れたり、管理する活動を子どもとともに行い、植物の成長、開花、結実の様子を観察することによって、いのちを育てる喜び、いのちの不思議さを発見する喜びを経験でき、大きな感動や自信を与えてくれる。また、保護者も巻き込んで植物を栽培することの重要性を、親子ともに理解してもらうことが可能である。
5) 園芸活動や庭いじりを楽しむ近年のガーデニングブームは趣味園芸の高まりを示しており、植物を栽培する活動を楽しむ人々が増加し、ガーデニングのための材料や用品の消費も急増している。このことは、植物を栽培する活動を通して、物の豊かさよりも、心の豊かさを求めている人々が増加していることを示している。

4 まとめ

 幼稚園で子どもが栽培活動に主体的にかかわるようにするには、幼稚園の先生が子どもとともに活動することが必要で、まず、栽培している植物、栽植されている植物の季節による変化、成長、開花、結実の状態をともに観察する。
 次に、栽培している植物、栽植されている植物を使って、子どもとともに遊ぶ。たとえば、花弁、葉、果実などを集める、花や葉を使ってジュースをつくる、絵をかくなどする。
 そして、栽培の準備をして、子どもとともに栽培活動を始め、成長の様子を観察し、管理をして、収穫し、その後は堆肥をつくる。
 いずれの活動でも、子どもたちに、ともに触れ、見て、かかわって育てる楽しさ、喜び、感動を味わわせ、植物に対する心情を育むことを期待したい。
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