農業体験を通じて多くを学ぶ
庄原市内の8中学校は、5日間の職場体験を中心としたキャリア教育に取り組んでおり、キャリア教育は将来生徒一人一人が社会人・職業人として自立していくために必要な意欲・態度や能力を身につけさせることをねらいとして実施している。
なかでも高野中学校の取組みは、旧高野町で約10億円の農業生産額があり、町の主要産業であることから2年生全員が2〜3名ずつ、それぞれの農家に分散して3日間の農業体験を実施した。さらに、高野中学校では職場体験で生産に係わった農家の農産物の販売を通して、他の町の人々の高野ブランドへの信頼を実感し、郷土のすばらしさを生徒自らに強く印象付けさせる。そうした体験を適切な表現をもちいて生徒間で発表しあい、多様な経験を学ばせる。最終的には体験活動全体を通して学んだことを取りまとめ、これまでの自分の生き方や職業に対する考え方の課題を見つけ、将来の進路を考える際に役立つような指導をしている。
(佐藤 直 記)
庄原市立高野中学校
Contents
[記事一覧へ
]
問い合わせ先:
庄原市立高野中学校
各学年1学級 全校生徒62名、教員数16名
所在地 〒727-0402 広島県庄原市高野町新市1289番地
電話 0824-86-2221 FAX 0824-86-2248
2年生全員がキャリア教育の一環で
農業と農産物販売を体験
そろいのハッピでリンゴや米、ダイコンを売る
「いらっしゃいませ」「おいしいリンゴですよ」「賞をとった農家のお米です」
買い物客に声をかけているのは、そろいのハッピを制服の上に着込んた中学生たちだ。
11月3日の文化の日、朝10時から昼すぎまで市内2カ所で、広島県庄原市立高野中学校の2年生20人全員が校区の農家から仕入れた農産物を販売する。
会場の一つは、市の中心に近い小学校で、同時に地元産品を販売する団体と合同でつくった「ふるさと特産物即売会」のチラシが会場周辺の家々に事前配布されている。
もう一カ所は、庄原市が建設し第三セクターが運営する農畜産業の交流直売施設「食彩館しょうばらゆめさくら」の建物前での販売となる。ここは来店客の多い場所だ。
中学生はそれぞれの売り場に「ゆめや」「たべんさい屋」という名前をつけている。
体験学習で訪ねた農家がつくる農産物を売る
売り場にはリンゴやリンゴジュース、米、ダイコン、ホウレンソウなどが並ぶ。これらは中学生が職場体験学習で知り合った校区の高野地区の農家がつくったものだ。生徒たちにとっては特別なものなのだ。
中学生はそれぞれの農家と値段を交渉し、農産物を買いつける。先生のバックアップもあって、交渉が成立し、売値を決めて、いよいよ販売となる。
販売を前にして、ポスターや会場で配るチラシをつくる。
「リンゴ480円、大根1本150円、ほうれんそうLサイズ150円」
などと値段を書いたチラシには、
「高野産の野菜、果物、新鮮なまま、売ります!」
「高野ブランドの食物が普通より安く買える! 来ないと損ですよ!?」
というキャッチフレーズも入れた。それでも、売れるかどうか心配だった。
お客の前に立ち、商品が売れていくと、中学生たちはちょっと安心する。笑顔も自然なものになっていく。
そして、商品が売れたのは、自分たちの努力だけでなく、商品のそのものの魅力が大きいことに気づいていく。世話になった農家がつくるものがいかに価値のあるものなのか、それがわかってくる。地域にはすばらしい農産物を生産する力のある人たちがいる。そんな地域に自分たちが暮らしている。先生たちは「そのことが中学生の誇りとなってほしい」と願っている。(続きを読む
)
ポスターづくり |
ポスター検討 |
「ゆめや」ポスター |