(1)林業白書のデータから〜森林・林業の基本をきちんと理解する、理解させる〜
最近、「森林のもつ多面的機能」が注目を集めています。これは、ぜひとも子どもたちにも知ってもらいたい項目です。

(3)「土砂災害防止/土壌保全」の機能は、暮らしに密接に関係しています。特に山間部に暮らす子どもの場合、意識しやすいかもしれません。森林があることで、山崩れはもちろん、風や霧、吹雪や雪崩などの防止効果が驚くほど高まります。文字通り、森林が暮らしを守っているのです。
(5)「快適環境形成」で挙げられている気候の緩和や大気の浄化といった機能は、逆に都市部の子どもにとって意識しやすい事柄でしょう。森林がどうしてこのような機能を持っているのか、科学的に分析するという授業を行っても面白いでしょう。
また、(4)「水源涵養」の機能も挙げられています。その中の水資源貯蔵とは、いわゆる森林の持つ保水能力のことで、これには森林そのものの持つ保水能力はもちろんのこと、森林がつくってきた土・土壌による保水能力も含まれます。森林は、雨が降っても雨水を一時的に保存してくれます。そしてそれらを小出しに放出します。乾期であれば、これらが貴重な水源になります。山に水が絶えないとは、こうした理由によるものです。洪水と水枯れのいずれをも防ぐ森林の保水能力は、人工的に造られたダムの保水能力よりもはるかに高いものと言われています。

環境配慮という観点からは、「木材を利用する方がアルミニウムや鉄といった鉱物資源を使うよりも環境負荷が少ない」(二酸化炭素排出量による比較)ということも科学的に明らかにされていますが、このこともそれほど広く知られているとは言えません。このような環境教育への展開を視野に入れた情報も、子どもたちの興味をぐんと惹きつけます。

このほかに、子ども同士で考えたりディスカッションをしたりする素材として、使えるデータを紹介します。


環境のためにも、日本だけではなく世界で健全な森林が保たれることはとても重要です。以下に、日本と世界の森林面積についてのグラフを紹介します。

森林・林業体験学習をすすめるにあたって、世界の森林や環境といった観点を押さえることは、子どもたちの学びを深め、考える力や共感力を育てる上でも、とても大切です。
第1章 今なぜ、子どもたちに森林・林業体験が必要か
1. 子どもたちがイメージする森林と現実の森林の違い
2. 知っているようで実はよく知らない「日本の森林」
3. 学習テーマとして魅力的な「日本の林業」
4. 森林・林業の基礎的データ
(1)林業白書のデータから〜森林・林業の基本をきちんと理解する、理解させる〜
(2)日本の林業が抱えるさまざまな問題とは
(3)見えづらい現実、どうやって子どもたちに興味を持たせるか
5. 世界の環境と日本の森林・林業の深い関係
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